カラマツの黄葉も終わりに近づき、黄金色に輝く
カラマツがきれいなので、また写真を撮りに行きました。
雲の合間から陽がさすと輝き出すカラマツの葉、最後の最後に黄金色になります。もう2~3日したら風に吹かれて葉が飛んでいってしまうカラマツ。
カラマツについて思うところを書こうと思うがうまく文章にできないので、北原白秋の詩「落葉松(からまつ)」を引いてみます。
落葉松
北原 白秋
一
からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり。
二
からまつの林を出でて、
からまつの林に入りぬ。
からまつの林に入りて、
また細く道はつづけり。
三
からまつの林の奥も
わが通る道はありけり。
霧雨のかかる道なり。
山風のかよふ道なり。
四
からまつの林の道は
われのみか、ひともかよひぬ。
ほそぼそと通ふ道なり。
さびさびといそぐ道なり。
五
からまつの林を過ぎて、
ゆゑしらず歩みひそめつ。
からまつはさびしかりけり、
からまつとささやきにけり。
六
からまつの林を出でて、
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
からまつのまたそのうへに。
七
からまつの林の雨は
さびしけどいよよしづけし。
かんこ鳥鳴けるのみなる。
からまつの濡るるのみなる。
八
世の中よ、あはれなりけり。
常なけどうれしかりけり。
山川に山がはの音、
からまつにからまつのかぜ。
あまりにも有名な詩ですけれど、こうしてカラマツの写真とともにあらためて読んでみると、カラマツの独特の美しさが感じられることに驚かされます。
人生と重ね合わせることができる美しさがカラマツの魅力なのでしょう。